「自分で見たこと、体験したことしか信じない」でいいの?
『自分で見たこと、体験したことしか信じない』
という志の大変高いかたがいらっしゃいます。
自分自身にミジンコの心臓ほどの自信も無い私では、とても言える言葉ではありません。
自分で見たことも体験したことも「アレは本当のことだったのかしら」と疑ってしまう私にとっては、自分の体験よりも、他の人が見たり体験したことのほうが、よっぽど信頼がもてるというもの。
軟弱者の自分を改めて認識した上で、こんな本をご紹介します。
錯覚の法則 〜成功者は脳をあっさりその気にさせる〜
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西田 文郎 (著), 藤岡 秀彰 (ナレーション), & 1 その他
この本で著者の西田文郎さんはこんなことを言ってきます。
45年以上に渡って脳の研究をしてきた結果、いま、ひとつ断言できることがあります。
「脳が『正しい』と思っていることのほとんど、99パーセントが錯覚」だということです。
と、
○脳は簡単に騙される
西田文郎さんいわく、脳みそは、簡単に錯覚してしまうそうです。
『錯覚の法則』の中では、錯視やだまし絵などで脳がどれだけ簡単に騙されるか、読者も体験できる内容で書かれています。
私は錯視やだまし絵などを見るのが好きです。
YouTubeなどで見始めると、頭が混乱するのが楽しくて、次から次へと新しい動画を再生してしまいます。
私はただ楽しんでいただけでしたが、それは脳は簡単に騙されてしまうからこそ起こる現象だということで、まんまと私の脳みそは騙されていたということを『錯覚の法則』は教えてくれました。
簡単に騙されるなんて、情けないぞ、私の脳みそ!
と、思いましたが、これは誰でも起こることで、それが脳の癖だとのこと。
私の脳みそも人並みということが分かり、ホッと胸を撫で下ろしました。
○絵の中に2つの絵?
脳は簡単に騙されるのですが、もう一つ特徴があるのだそうです。
ルビンの壺という有名な騙し絵があります。
黒い壺のような絵に見えますが、よく見ると、向き合っている人にも見えてきます。
そして、両方を認識した途端、向き合っている人と黒い壺が交互に見えて、目がチカチカ頭がクラクラしてきます。
皆さんも、交互に見えてクラクラした経験があることでしょう。
でもです。
それっておかしくないですか?
なぜ、向き合っている人と黒い壺が交互に見えるのでしょう?
黒い壺みたいなものが描かれている絵を見ているだけ、なのにです。
不思議ですね。
○脳は1つのことしか分からない
『錯覚の法則』によれば、脳は複数のことを同時に理解することができないのだそうです。
黒い壺と向き合っている人を脳は同時に認識することができません。
向き合っている人を見ているときは、黒い壺が見えず、黒い壺が見えているときは、向き合っている人が見えません。
本当は、どちらもずっと見えているはずなのに、不思議ですね。
でも、もっと不思議なことが実はあるのです。
そもそもこの絵には、向き合っている人も黒い壺も本当は存在しないのです。
どういうこと?
私のしがない文章力では、頭がクラクラしてしまいますね。
落ち着いてお伝えします。
○脳は頑固
あの絵を落ち着いてよーく見ると、実は、白地に黒い壺のような模様が描かれているだけなのです。
そうなのです、ただの白黒の絵なのです。
それを脳は勝手に向き合っている人、或いは、黒い壺と認識し、そうなったら最後、もう、白黒の絵とは認識せず、
「黒い壺の絵だ」
「向き合っている人がいる!」
と、頑なに反応してしまうのです。
しかも同時には認識できないので、交互に認識してチカチカクラクラ勝手に混乱してしまいます。
なんて脳は頑固でおバカなのでしょ〜
○それでも自分の見たものを信じられますか?
『簡単に騙されて、しかも同時に1つのことしか分からなくて、その上で頑固』
こんな性格の人がいたら、どう思いますか?
私はちょっと信用できないかもしれません。
でも、私たちの脳みそを性格で例えると、そんな人になるんだそうです。
そうなると、実際に見たものや体験したことが真実なのかと問われたら、私がゾウよりも大きな心臓を持っていたとしても、自信を持って「そうだ!」とは言えない気がします。
また、誰が体験した不思議なことなどを頭ごなしに否定することもできないと思います。
とは言え、全てを疑ったり、逆に、全てを肯定したりする生き方は疲れてしまいます。
なので「信じる、信じない」と決めつけず、どちらも許容できるような柔軟な脳みそでいれたらいいな〜、と私は思います。
(^◇^;)
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